2021年の成人式はコロナの影響で直前に成人式が取りやめになるなど、
新成人の方には、思い出を一つ削られる悲しいタイミングとなりました。
そこへ,着物屋さんを運営する兄弟が、「成人式プレゼント」というイベントを企画。男気の塊！
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000043766.html
私もお弟子さん2人と共に、着付師として参加させていただきました。
そこでは主にCallのオリジナル振袖を着せたわけですが、もちろん持ち込みOKということで、
「成人式がなくなったら、初めておろすんです」と、この素晴らしい振袖を持って現れたお嬢様。
たとう紙も触ったことのないほどの厚みで、すぐすごい振袖が出てくることが予想できました。そして開けてみると、そこには素晴らしい匠の技が。
天国カラーの総絞りの振袖と、唐織の全通帯。ご本人よりお母様と叔母さまが盛り上がり過ぎて揃えたこの振袖は、総絞りの最高峰、藤娘きぬたやさんのもの。
成人式がなくなったから、なんとこの日が初おろし!!わ、わ、わ、わ、わ、私が触るんですか！(◎_◎;)と、心地よいプレッシャーで始めた着付けは、このように仕上がりました。
着物だけではなく帯も豪華で厚みもあるので、凝った現代風な結びよりシンプルに伝統的な文庫結びで,そのデザインと刺繍を魅せるように仕上げた方がいいのです。
帯揚げも帯締めも凝らないで王道の結びで、着物と帯のその芸術性を主役にする。このような着物に出会った時はそれが着付師の役目です。
こんなゴージャスなお着物に身を纏ったらそのまま誘拐されないかしら！なんて冗談を言いながら眺めて達成感に浸っているところに、お母様がわさわざいらして、
「この着物似合う理想的な着付けをしてくださり、ありがとうございました。」と、私舞い上がりまーーーーーす
着付けというよりも、毎回私にとっては芸術鑑賞。素晴らしいお着物に携わらせていただき、本当にありがとうございました。
またこのような機会をくださった元山兄弟にも、改めてお礼を述べたいです。
ありがとうございました。
巧流-call-